倉敷のまちづくり

冬の陽ざしがやわらかく射す午後、岡山県倉敷市の「美観地区」を歩きました。
白壁の町家が緩やかに並び、川を渡る風まで穏やかに感じる──
初めて訪れたのに、どこか懐かしい気持ちになる不思議な美しさでした。

その景色の背景には、地域の人たちが長い年月をかけて守り続けてきた努力があります。
建物の保存、看板の大きさ、色づかいの統一。
外国の観光客の方にもわかりやすいほど整った景観は、自然にできたものではなく、
「この町を未来へ残したい」という想いの積み重ねなんですよね。

歩きながら、建設業に携わる者として大切なことを改めて感じました。
まちづくりは、ただ造るだけではなく、
“続いていく景観と暮らし”をどう守り、育てるか──その営みそのものなんだと。

加茂市にも、残したい風景があります。
四季の色、川の流れ、子どもたちの笑い声。
それらを未来の世代へ届けるために、私たちができることはまだまだあります。

倉敷で学んだ“人の手で守られた景観の温かさ”を胸に、
これからも地域と一緒に、誇れるまちを育てていきたいと思います。

― 堀内大祐(株式会社堀内組)

裏路地がたまらない 倉敷美観地区