呉 みなとの記憶

海から吹く風が少しあたたかく感じた午後、呉の港を歩きました。
静かに揺れる水面の向こうに、大きなドック(船を修理するための場所)が並び、鉄の匂いと潮の香りが混ざります。かつて戦艦「大和」が造られた港。今は護衛艦「かが」がゆっくりと佇んでいました。

時代が変わっても、海の青さは同じで、そこで働く人のまなざしも変わらないんだな、としみじみ思いました。巨大な船は、遠くから眺めているだけでも胸がじんとします。命を守るため、国を支えるため、たくさんの人の手がそこに込められているからでしょうか。

建設の現場も似ています。私たちが造る道路や河川の工事は、誰かの暮らしを守る“見えない最前線”。派手ではなくても、人の安心を支える仕事なんだと、改めて気持ちが引き締まりました。

変わりゆく時代の中でも、人がつくる仕事には必ず「思い」が残ります。
子どもたちにも、そんな“働く背中の美しさ”を、いつか感じてもらえたらうれしいです。

今日も加茂で、地域を守るものづくりを続けていきます。

― 堀内大祐(株式会社堀内組 代表取締役社長)

日本の安全安心を守る