初めてふれる能の世界

毎週木曜日のお昼は、加茂ロータリークラブの例会。 この日は、いつもと少し違う空気が会場を包んでいました。

ゲストにお迎えしたのは、能楽師宝生流の斎藤達也さん。 初めて本格的に触れる“能の世界”に、思わず背筋が伸びる思いでした。

斎藤さんが語る世阿弥の言葉、そして演目「山姥(やまんば)」の背景――。 「難しいのかな」と身構えていたのが嘘のように、情景がスッと浮かび、気がつけばその世界に夢中になっていました。600年も前の芸能が、今なおこうして人の心を動かすことに感動を覚えます。良寛さんを題材にした新作能も作られていると聞き、その進化し続ける姿勢に驚かされました。

形をもたない芸が、人から人へ受け継がれることで、未来へと積み重なっていく。 それはまさに、「残す仕事」の極みです。

ふと、私たち建設業のことを考えました。 私たちは日々、道路や橋を「つくる仕事」に向き合っています。しかし、それらは今の私たちだけのものではなく、次の世代が使い、またその先へと続いていくもの。 そう考えると、建設もまた、形あるものを未来へ「残す仕事」なのかもしれません。

そう気づいた瞬間、ひとつひとつの現場に対する姿勢が、より一層引き締まりました。

子どもたちにも、今日私が感じたような“知らない世界にワクワクする気持ち”を体験してほしい。 そのきっかけが建設業であれば、こんなに嬉しいことはありません。

加茂の未来に、小さな「興味の種」を一つずつ増やしていきたいと思います。

― 堀内大祐(株式会社堀内組 代表取締役社長)

良寛さんと能