三世代でつくる未来

公民館の会議室に、やわらかな日が差し込む日曜日。 机の上には、色とりどりの紙やビーズ、そしてリサイクルする牛乳パックが並んでいました。

この日は、三世代で楽しむ「万華鏡づくり」のお手伝い。 大学生のお姉さんが中心となり、子どもたちの弾むような笑い声が響きます。その後ろでは、おじいちゃんおばあちゃんたちが「昔はね…」なんて目を細めながら、穏やかに手を動かしていました。

牛乳パックを使ったシンプルな工作ですが、のぞき込むたびに世界がキラキラと変わる魔法のような道具。 「わぁ!」と目を輝かせる子どもたちに、「こうするときれいだよ」とそっと知恵を貸すシニア世代。 そして、その間を大学生が笑顔でつなぐ。 会場全体に、なんとも言えない温かい空気が流れていました。

ふと気づいたのは、工作の出来栄えよりも、その過程にある“心が通う瞬間”の尊さです。 誰かの手を借りて、みんなで完成させた万華鏡は、単なる「作品」ではなく、かけがえのない「記憶」になります。

こうした温かい記憶の積み重ねが、地域を「好き」と思える気持ち――いわゆる**「シビックプライド(地域への誇り)」**の根っこになっていくのだと実感しました。

今日つくられた小さな万華鏡は、未来への大切な種まきです。 子どもたちが大きくなったとき、「この町、楽しかったな」という思い出が、働く場所や生き方を選ぶ時の「戻ってくる理由」になるかもしれません。

その最初の一歩を、建設業として、そして地域企業として。 これからも足元から支えていきたいと思います。

― 堀内大祐(株式会社堀内組 代表取締役社長)

万華鏡の世界