町の本屋さんが教えてくれたこと 活字中毒の原風景

私は、自他共に認める「活字中毒」です。 本屋さん、古本屋さん、図書館……。 紙の匂いをかぐだけで、乱れた心が少し落ち着く。そんな習性を持っています。

ここ加茂には、私が小さな頃から大好きな「町の本屋さん」があります。 商店街の一角に、昔と変わらない顔で今もそこに佇んでいます。 幼い頃、祖父に手を引かれて出かけるのが何よりの楽しみでした。

まず、お菓子屋さんでおまんじゅうをひとつ。 そして、本屋さんで好きな本を一冊。

あれは、幼い私にとって最高のご褒美でした。 時代は流れ、あのお菓子屋さんや近くの駄菓子屋さんは、いつの間にか姿を消してしまいました。 それでも、その本屋さんは今も変わらず、町に文化の灯りをともし続けてくれています。

最近は、雑誌などはKindleや楽天マガジンで読むことも増えました。 ごみが出ないし、場所も取らない。それは正直、ありがたいことです。 でも、本だけはやっぱり紙がいい。 ページをめくる音、紙の感触、その一冊の重み。それらすべてが読書体験として心に残るからです。

だから私は、欲しい本をネットで調べ、あえてその「町の本屋さん」に注文します。 クリック一つですぐ届く便利さよりも、本屋さんに届くまでの「ワクワクする待ち時間」の方を大切にしたいからです。

町に本屋さんがあること。 それは単に店があるだけでなく、「人が育つ土壌」がその町に残っているということなのかもしれません。 こんな豊かで温かい日常を、これからも大事に守っていきたいと思います。

町の本屋さん