ガイドと歩く集落散歩

冬とは思えないぽかぽか陽気の中、三条市の大崎地区をまちあるき。
川沿いを渡る風がやわらかくて、思わず上着をゆるめてしまうほど。
ガイドさんの「ここはね…」という声に耳を傾けながら、ゆっくりとした時間が流れます。

道の先に現れたのは、八幡宮と中山神社。
昔から地域を見守ってきた場所だそうで、社殿の木の香りがどこか懐かしい。
狛犬も特徴的で、片方が“珠”とじゃれ合うように遊んでいる姿は、まるで子どもみたいで思わず笑ってしまいました。

歩いていくと、小さな水路に「鋳物師(いもじ)」の歴史が残っていると教えていただきました。
この地域では昔、川の水を使って鋳物を作っていたそうです。水路の名前はズバリ金川。
いま見えている景色の中に、そんな営みがあったなんて…足元から歴史が湧いてくるような感覚でした。

さらに、道路工事の際に見つかった下町遺跡の話も。
地域には言葉にならない“積み重なった時間”が眠っているのだと気づかされます。

こうして歩いてみると、町のあちこちに過去の息づかいが確かに残っていて、
「建設の仕事って、この歴史を次の世代につなぐことなのかもしれない」と、胸が少し熱くなりました。

地域を知ること、受け継ぐこと。
そのすぐそばに、私たちの仕事があります。
これからも、まちの物語を未来へそっと手渡していけたらうれしいです。

― 堀内大祐(株式会社堀内組 代表取締役社長)

これが金川