除雪の準備

先週の朝、ふと窓の外に目をやると、世界が静かに白く染まっていました。 積もったのは、ほんの数センチ。 このくらいなら「きれいだなぁ」と、ついスマホで写真を撮りたくなる、冬からのささやかな贈り物です。

ですが、私たち“ふるさとの守り人”にとっては違います。 その白さは、「いよいよ本番だ」とプロのスイッチが入る合図でもあります。

会社のヤードでは、除雪車ホイールローダーが次々と点検へ。 車検整備をしっかりと済ませ、あのゴツゴツとしたタイヤチェーンを丁寧に装着していきます。 油の匂いが漂う中、準備が整った頼もしい背中を見ていると、思わず「今年も頼むぞ」と一台一台に声をかけたくなります。

仕上げは、毎年欠かさない安全祈願です。 吹雪の日でも、大雪の朝でも。 地域のみなさんの通勤や、子どもたちの登校を安心して迎えてもらえるように――。 その切なる願いを込めました。

雪国に暮らす以上、雪をゼロにすることはできません。 だからこそ、万全に“備える”こと。それが私たちの使命です。

冬が深まっても、地域の「いつもの暮らし」が変わらず続くように。 今年も、準備万端で冬を待ち受けます。

― 堀内大祐(株式会社堀内組 代表取締役社長)

冬の朝