乙ツーリズム 1300年の時間旅行で見つけた「守ること、変わること」

小さな頃、祖父に手を引かれて歩いたお寺の石畳。 その懐かしい記憶をたどりながら、40年ぶりに胎内市の乙宝寺(おっぽうじ)を訪ねました。幼い私の記憶に残っていたのは三重塔だけでしたが、その姿は当時と変わらず、今も静かにそこに鎮座していました。

乙宝寺の歴史は、聖武天皇の時代から約1300年。 私のふるさと加茂の青海神社、そしてお隣・田上の土生田神社も、実は同じ頃のはじまりです。北陸道越後国が律令体制に組み込まれた遥か昔から、この土地は人々の営みを見守り続けてきた。そう思うと、なんだか歴史のダイナミズムに胸が高鳴ります。

しかし、今回訪れて感じたのは「古さ」だけではありませんでした。 新しいおまんじゅうを開発したり、地域の旬を詰め込んだ精進料理の「寺弁(てらべん)」を始めたり。1300年の歴史を背負いながらも、時代に合わせて果敢に挑戦し、新しい価値を創り出そうとする姿がありました。

「守ること」と「変わること」。 その両方に本気で向き合っているからこそ、1300年という途方もない時間を生き抜くことができるのかもしれません。

これは、建設の仕事も同じだと私は思います。 私たちが扱っているのはコンクリートや重機ですが、その本質は「人の想いを未来へつなぐこと」。地域の歴史の延長線上に、私たちの現場はあるのです。

応援したくなる場所には、必ず理由があります。 皆さんもぜひ、この「乙ツーリズム」で1300年の時間旅行を体験してみてください。

― 堀内大祐(株式会社堀内組 代表取締役社長)

乙まんじゅう♪