サヨナラの泪雨

 イタリアの友人が次の目的地へ旅立ちました。加茂での滞在が終わりを迎えたその朝、空からしとしとと雨が降ってきました。この季節には珍しく、ずっと続いていた晴れ間が、まるで別れを惜しむように、今日だけ静かに泪を流しているようでした。

 空も悲しんでいたのかもしれません。私たちが過ごした時間の重みを、空が知っていたのかもしれません。こうして別れの時には、自然もそっと寄り添ってくれるのですね。

 建設の仕事は、人とのつながりがすべてです。一緒に笑って、時にぶつかって、でも共に汗を流した仲間。その別れは、いつだって心に深く残ります。

 またきっと会える。そう信じて、今日も前を向いて仕事に戻ります。泪雨はやがて上がり、また新しい一日が始まります。ありがとう、友よ。いってらっしゃい。また加茂で会いましょう。

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